これまで診療の中で、多くの方々から職場でのいろいろなストレスをおうかがいしてきました。いろいろなストレスがあるにしても、多くの場合、共通したストレスがあるようです。
職場ではいろいろなストレスがあります。大きく分ければ、仕事上のストレスと対人関係上のストレスがあります。
・ 長時間就労。過重就労には公式には残業が80時間/月、100時間/月という一定の目安がもうけられていますが、時には残業150時間/月という方もいらっしゃいます。これは数字上の目安もあります。ほかの目安としては、睡眠時間を削って就労することが慢性的になるようでしたら、だいぶん危険水域に入っていると考えられます。
・ 仕事上の矛盾がある。仕事の内容に大きな矛盾を含むものです。これもとても苦しいものです。
もっとも多いのは上司・先輩との関係でのストレスです。
・ 上司がほとんどタッチしない。コミュニケーションがない。これは上司自身が大変に忙しいという場合があります。また、ほったらかしだったり、各人が自分の判断で動くことを求める場合もあります。
・ 一方向のコミュニケーション上意下達型あるいはトップダウン方式などともいわれるでしょう
・ 上司によるパワハラ。これも受診に至るいきさつとしては、決して少なくないことです。
物事を公平に見ていくことは大切です。
・ご自身が考えていることと、周囲が考えていることに、知らず知らずのうちにギャップが生じていることもあります。
・適性。つまり仕事との相性が悪い。たとえば、自分で判断して臨機応変で動くのが得意なタイプの人と、何をどうするのか指示されてそれを堅実に淡々と粛々と実行するタイプの人がいます。職業の適性を間違うと、仕事がうまくいかずに大きなストレスになります。
・ 仕事へのモチベーションが少ない。やりがいがない。
このような本人側の要因も検討していくことが現実を適切に見れるようになるうえで大切になる場合があります。