評価尺度を使った治療

 うつ状態がどれくらいの程度なのかを調べるツール(評価尺度)が何種類かあります。簡略化されたものもありますし、本格的なものもあります。

 近年、この評価尺度を適宜用いて改善の度合いを見ることで、治療の効果がわかるだけでなく、治療成績も向上すると言われています。つまり評価尺度に基づいた治療は、治療反応性(治療に対する改善)、寛解率(症状消失)、治療期間に良い影響を与えるとされています。

 評価尺度を用いることで状態や苦痛感を把握しやすく、共有しやすいです。患者さんと担当医がコミュニケーションしやすくなります。またセルフモニタリングとして、患者さんが自らを客観的に振り返りもしやすくなります。また、気持ちのゆとりも生じ負担も小さくなりやすい面もあります。

 当院ではMADRAS(マドラス)といううつ状態の評価尺度を適宜用い、また、休職しているばあいや、睡眠リズムの障害を伴っている場合などに生活リズム表を日々記載してもらうことも重視しています。全員にそうしているのではなくて、必要な場合にです。

 さらに今後、これらを充実させ効率化させていこうと考えています。