うつ病は十分に治ってほしいものです。うつ病が治るということはどのような状態なのでしょうか。うつ病がなおるということは「寛解」、「再発抑制」、「社会機能の回復」から考えていかなければなりません。
●うつ病の症状が消失していなければなりません。症状が消失していることを医学では「寛解」と呼んでいます。しかし「寛解」は「治癒」とは異なっています。寛解だけでは不十分です。
●現在、症状が消失していても、前回の発症のきっかけと同じようなストレスがかかると、再発することもあります。この再発がないようにしたいものです。
●社会機能の回復。
うつ病の症状が消失している状態、つまり寛解状態であっても、なんとなく億劫感がある、集中が今ひとつ、気力が充実しない、朝が辛い、疲れやすい、頭の働きが少し鈍っているような気がするなどの状態が続く場合があります。これらはうつ状態ではないのですが、いまほとつ社会機能が十分に回復していないと考えられます。またこれらは数ヶ月あるいは1年位続くこともあります。このあたりも含めて改善するのが真の治癒であると考えられます。
・日常生活の基本(衣食住)が円滑に行える。
・仕事、家事での集中力、判断力、思考力が回復している。
・無理なく対人交流ができる。
・趣味や興味関心が戻ってきている。
ペースをつかんでいけるように、焦らず、根気強くやっていきましょう。