アデノシンは代表的な睡眠物質のひとつです。アデノシンは筋肉細胞や脳細胞などの主要なエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP: adenosine triphosphate)の分解産物です。アデノシン三リン酸は糖質などから作られます。筋肉細胞や脳細胞が日中に活動するとアデノシン三リン酸が燃えてその分解産物であるアデノシンが体内に蓄積していきます。それが眠気を引き起こします。夜になって眠気を引き起こすと丁度よいのです。日中に活動をして、夜はぐっすりと眠れるというふうにうまく活動のサイクルがつかめるようになることが望ましいです。
カフェインはアデノシンの作用を抑制することで目覚ましの効果(アデノシン受容体拮抗作用)があります。因みに、アデノシンは覚醒物質であるヒスタミンの作用を抑制することで眠気を引き起こすようです。たとえばアレルギーを緩和する薬や風邪薬には抗ヒスタミン作用を発揮すると眠気が生じます。