大平哲也先生は福島県立医科大学医学部の免疫学の教授です。
古くから笑いは健康によいといわれてきました。そしてここ十数年、笑いと健康の関係について医学的な研究が進んでいるとのことです。
笑いと様々な疾患の発症率との関連性が統計的に調査されています。それによると笑うことが多い人は、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、ガン、うつ病、認知症、メタボなどが少ないとのことです。また認知力や思考力など脳の機能も高まるようです。免疫力(たとえばナチュラルキラー細胞)が高まります。ストレスホルモンも減少しストレス緩和になります。これらの医学研究から、笑いは病気を緩和させ健康を増進させる重要な要素の一つであることは確かのようです。
思春期には、お箸が倒れても笑うといわれる通り、およそ1日300回も笑い、年齢とともに笑いは徐々に減少して、70歳代になると1日平均2回くらいしか笑わなくなります。笑いを維持することで健康増進の一助としたいところです。
笑いの効果は、楽しい気分によってもたらされるというのもありますが、実は楽しくなくても「ハッハッハ」という笑いにともなう身体運動が、脳に「いま笑っているぞ」と認知させる、つまり誤認させるだけでも効果があるらしいのです。笑いについては、形から入るのも悪くなさそうです。
「日本笑い学会」という真面目な学会があります。大平先生は、これは「お笑い学会」ではなくて「笑い学会」であることを強調されておりました。ホームページを見るとなるほど真面目な学会です。多分野の人たちの集まりです。
また大勢の人たちと一緒に笑いの運動をする「笑いヨガ」も紹介されました。
大平先生は、落語調のしゃべり方で、かなり面白かったです。
笑いの調査にはアメリカでは「メリーに首ったけ」を被検者に観させることも多いとか。日本では落語の実演だったりするそうです。