通常の保険診療内では、診療時間をあまり長くお取りすることが難しく、どの医療機関でもテーマはメディカルのものに限定されがちです。たいていのクリニックでは再診では３０分間で５人くらい診療します。当院もそれと同様です。

　当院では、通常の保険診療枠以外にも自費の特別予約枠（３０分枠）を設けています。当院では、一貫してこのシステムで取り組んできました。メディカルな内容をより深く話し合うことに加えて、現在の環境、背景、これまでの経緯、生活習慣、将来の方向性なども含めて、それぞれの人にとって大切なポイントとなることについて話し合います。より広くより深く考えたいというモチベーションのある方におすすめです。臨機応変にスポットで受けることもできますが、テーマが大きい場合には複数回や継続的にするべきです。

　テーマが大きい場合とは以下のようなことです。現状の問題点について、視野を広くして根本から見直したり、さらには人生に関する様々な課題についてです。私たちは、日々の生活のなかで目の前のことにとらわれがちで、本当に大切なことに目がいきにくくなっています。自分自身に向き合い考え直したい、あるいは生きていくための基本的な事柄をもういちど見直したい、など前向きな取り組みを望まれる方には、その内容によって複数回や継続的にすることが適しています。

　そういった取り組みの方法として、とても大切なことは、思考を自由にして思い浮かぶことを語って頂くことです。これはおそらく不可欠なことだと考えられます。決められた時間枠でありますが、話していただきながら、時折ポイントとなる解釈を入れることで、しだいに思考が活性化され、語る内容が変化していきやすいです。自分自身に向き合い、日々の生活も少しずつペースがつかめて、人間関係においても本当に大切なことに気がつきやすくなればとおもいます。

　こういったことは外部の心理療法をお受けになることをお勧めすることもあります。

　たとえば次のようなものを目指しています。

　◇ 自分自身の特性について知るようになる。

　◇ 自分自身で考える力を取り戻す。

　◇ 日常生活のペースをつかみ、生活習慣を向上させる。

　◇ クリエイティブな生き方が促される。

　◇ 苦痛の原因や背景がわかってくる。

　◇ 鈍っていた感情が生き生きして繊細さが戻ってくる。

　◇ 心の機能が改善される。

　◇ 人生を幅広く奥行きをもって見れるようになる。

　◇ 身近な人を見る目や人とのかかわりに変化が生じ、楽になる。

　◇ 気持ちのゆとりを持ちやすい。

　◇ 自然の回復力が増して症状が緩和する。

通常の保険診療とは異なり、特別予約枠は排他的に担当医の診療時間を提供することになりますので、キャンセル料3500円が発生いたします。また、時間延長は出来ません。遅刻の場合には、それだけ時間は短くなります。時間を延長すれば、それだけ他の人の時間を減らさざるを得なくなったり、スケジュールの運用がうまくいかなくなります。そのことが想像できない方が散見されますが、この点においても、心理療法的にも重要な意味がありますので、ご理解の程よろしくお願い致します。