日記療法

  カウンセリングのひとつとして日記療法があります。これは個々人によってやり方を変えながらやりますが、有効性の高いことがあって、カウンセリングの重要な方法の一つであると考えられます。

 日記療法は、自宅で、日記のようにして書いていただき、それをカウンセリングの時に持ってきていただきます。その書き方については話し合って決めていきます。

 この意義は、その日にあったことや考えた感じたことを書くことによって、ご自身の振り返りができること。 精神活動全般が活性化する方向に向かいます。

 日記といえば通常は誰にも見せないご自身だけのものですが、この場合は、見せる相手がいますから、その人に向けて書きます。ですから自分の中だけで繰り返すのではなく開かれています。

 また日記の内容について、テーマをピックアップして話し合います。

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 普通の日記は自己完結していますが、日記療法は開かれて対面で話し合います。また多数の人が閲覧するブログやSNSでは個人的な内容のほんの一面を公開するのに対して、ある特定の人だけに向けた日記では、個人的な内容のかなり深い面も書くことができます。

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 「日記療法」ではご自身の悩みばかりを書かれる方もありますが、それが結果的には良い場合もありますが、あまり書きすぎるのもというのもバランスを欠いてしまう場合もあります。精神療法の大家である西園昌久先生は「よいこと日記」というものを提唱しています。これは、一日を振り返って、よいことを思い出して日記に書いてもらうという方法です。これによって治療目標が一層明らかになることがあります。個々人にあった日記の書き方やスタイルにするのがよいです。