ここは難しい内容にもなりますので、できるだけ、わかりやすくまとめて書きたいと思います。
ストラテラもコンサータも脳内で神経伝達物質であるノルアドレナリンとドパミンの再取り込み阻害作用によって、ノルアドレナリンとドパミンの量を増やします。薬のなかにノルアドレナリンとドパミンが含まれているわけではありません。
特に前頭葉(の中でも前のほうの領域である前頭前野)は、順序立てて持続的に実行して目標を達成する「実行機能」の役割を担っていて、この領域の神経伝達物質を増やすと、神経の通りがよくなってきます。ストラテラもコンサータも前頭葉でノルアドレナリンとドパミンの量を増やします。
コンサータの場合には、それに加えて、大脳基底核の線条体でもはやりドパミンとノルアドレナリンの再取り込み阻害によってそれらを増やすと考えられています。線条体は運動機能の調整や意思決定にもかかわっています。
また報酬系や意欲にかかわる側坐核でも、コンサータでドパミンとノルアドレナリンが増えとされています。
赤い部分が側坐核。